天使のいた13月

短歌

甘い蜜の2LDK/中原りんかく

執筆者:中原りんかく前世では双子の犬のわたしたち草原の色に似ていた部屋 爪先を伸ばした範囲が生活生命力のやたらある草 蜜月 おわっても蜜月2みつげツーあるし!数えきれない波へ走った してあげるしてこなかったことぜんぶ手塚...
小説

潮騒ボトル/四流色夜空

著:四流色夜空  だれもいない砂浜で夕陽を見るのが好きだ。  水平線に赤い塊が接して、境界が曖昧になって、海一面が燃えている。黒い影になって鳥たちが飛んでいく。太陽が最後の力を振り絞って景色を染め上げる壮大な光景を眺めていると...

教会/真夏あむ

著者:真夏あむ きみの小さな胸に付着した傷を舐めるのに時間がかかって、タイムカードを押し忘れた。朧気な才能を天気と一緒に変わらせて、凡人のフリが得意だね、ねえ、いったいどこから来たの?なんて、夢の中でしか言えないから。追い炊きしたお...
散文詩

枕のように、やわらかく天使(Your angel exists in your brain)/二枚貝(双川望)

著:二枚貝(双川望)  鐘の音が鳴る、何かが始まっていく、何かが終わっていく、速度、速度、速度、桜の花びらが落ちる速度、飛行機雲が生じていく速度、花が開くときの速度、雪の結晶のその一粒が落ちていく時の速度、宇宙が膨張していくときの速...
川柳

GLITTER DISC-Remix/水埜青磁

執筆者:水埜青磁消失点は誘拐しました 川です 被・YOU 風はほめことば 非・MINE 日記には栄養があるからね 脚をくずして海岸めくこどものパーティー 能面の替刃には栄養がない 非在の合図 きみのダンスが映...
小説

うなぎ王国の発展と衰亡について/佐薙概念(ペシミ)

著:佐薙概念(ペシミ)  死のうと思っていた。ことしの正月、よそから着物を一反もらった。お年玉としてである。着物の布地は麻であった。鼠色のこまかい縞目が織りこめられていた。これは夏に着る着物であろう。夏まで生きていようと思った。 ...
日記

遅延性の夏/精神外傷ちゃん

執筆者:精神外傷ちゃん君へ  残春、向暑も過ぎて、春にはあんなに持て囃したくせに、今ではもう誰も桜のことなんか話していない。そんな無常もさびしくはないけど、けれど永遠に、君の永遠になりたかった、それは全く嘘じゃないのに、あの日駆け出...
書評

回避型のための弁明としてのキッチュ―ミラン・クンデラ『存在の耐えられない軽さ』を読んでー/時田桜

執筆者:時田桜 恋人は、別の誰かでも良かったのではないか。 この問いはふとした瞬間に浮かび、そのたびに慌てて打ち消される。愛とは「この人でなければならない」という感覚のことだと、私たちは文学からずっと教わってきたからだ。代替可...

Milky Way/星屑

執筆者:星屑 きらきらきららら、きらきら、ららら、   14%            きららきらら、  7% 、き、らき、ききら               2% インターネットに接続されていません も...
日記

13月の過ごし方/中原りんかく

作者:中原りんかく去年に、手紙の来た人たちを見送る。粛々と海に飛び込む人。人。人。日没。海と太陽が遠くで混ざるまちのはずれの崖。産まれたばかりの娘と手を繋いで、波の中に消えた、向かいの家のご夫婦。今年も13月を迎えた。 窓を厚いカー...
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